今回は私たち治療家が良く使うツボについて、いったいどういうものなのか、その誕生と効能、ご自身でできるセルフケア方法をご紹介したいと思います。
日常生活において我々は外界に対し、様々な細菌から身を守るため皮膚に覆われています。
皮膚は冷たい、温かい、痛み、圧迫などの外部環境の情報や感覚を最前線で察知して脳にその情報を伝えます。
又は、湿疹、発赤、変色など体内の様々な情報を映し出す役割もあります。
このような体表の持つ特異性を認識したことは、2000年以上前に東洋医学が成立する際、大きな影響を与えました。
すなわち、
○病邪が皮膚を介して体内に侵入するという考え方
○体内の病の状態が皮膚に何らかなサインを表出するという考え方を生むことになりました。
同時に、皮膚を押したり、撫でたり、叩いたりすることが、心身の心地よさに繋がることも認識するようになりました。
この皮膚の特性に注目し、さらに体内と皮膚との関係に一定の法則がある事を見出し、それを医学としてまとめたのが鍼灸学の基礎となる経絡経穴(けいらくけいけつ)学説です。
体には気・血を巡らせる通路が走っており、これを経絡と言います。このすぐ上の皮膚を刺激すると、その刺激が経絡に伝わりますが、経絡の上ならどこを押しても同じというわけではなく、刺激が伝わりやすい部分があります。それが経穴(いわゆるツボ)です。
これら経絡とツボは鍼灸を行ううえで最も重要な概念のひとつとなっています。
ツボは体の縦に流れる経脈12本、全面中央と後面中央を流れる経脈2本を合わせて14の経脈の上にあります。
これらは臓腑と深い関わりがあります。
臓腑とは臓器そのものだけでなく、各臓器が持つ自律神経や精神活動(思考や意識など)の機能を含めた概念的なものです。
経絡を鍼や灸、指圧などで刺激すると、ツボを通じて気が経絡を出入りし、関係の深い臓腑を通じて諸器官の調子を整えます。
皮膚上のある一点に体内の臓器が関連する、というのはなかなか理解に苦しむ方もおられるかもしれません。
歴史を振り返ると日本では明治維新の時代に「医制公布」で鍼灸治療は西洋医の監視下においてのみ認められる制度がありました。
中国の黄河流域に生まれ2000年前に体系付けられた古い歴史を持つ東洋医学は、現代も受け継がれ、20世紀半ばから後半にかけて成人病や生活習慣病など、その生活環境や社会環境と深く関係のある症候に苦慮して、積極的に取り入れられることになりました。
WHO(世界保健機関)ではツボ361穴が認定されるようになり、アジア以外の国々にも受け入れ、世界の医学になろうとしています。
ぜひツボ療法にご興味のある方、最近体質が変わってきた、季節の変わり目で体の調子を整えたいという方、この機会に当院で治療を受けてみてはいかがでしょうか?
なかなか鍼灸整骨院にいけない、そんな方にはご自身でも実践できるツボ療法をご紹介します!
1 ツボ押し(指圧)でのセルフケア
最も手軽なセルフケア方法です。指の腹をツボに当てて、ゆっくりと力をかけます。
市販のツボ押し道具を使うのも効果的です。
2 台座灸でセルフケア
市販の台座灸はシール式のものが多いので楽な姿勢でツボに貼り付けることができます。
ただし、火を扱うので水の張った容器を準備したりと注意しましょう。
3 円皮鍼のセルフケア
長さが0.3〜1.5ミリほどの押しピン状の鍼をシールで貼り付けておく治療法で、セルフケアには安全性の高い鍼先のないタイプのものを用います。
当院では気軽にご相談も承っております。
皆様の日々の生活がより良いものとなりますようにお力添えさせて頂きます。
皆様のご来院をお待ちしております!